資金計画家づくり研究事務所
資金計画資金計画について
住宅は一生に何度もない大きな買い物です。
そして、ライフプランにおいて、「住宅資金」は、「教育資金」「老後資金」と合わせて、「人生の3大資金」とも言われます。
人生で大きなお金が必要となるのは、住宅取得時だけではないことを念頭においたうえで、計画的に資金計画をしましょう。
ライフサイクルの予測をしましょう
長期の住宅ローンを組む場合、普段の生活費だけでなく、教育費などの大きな支出も考えられますので、
将来の自分の所得とともに、ライフサイクルを予測した返済計画をつくることが重要です。
収入面でのポイント
先の見えにくい昨今の経済状況を考えて、毎年のベースアップやボーナスの増加を前提としないようにしましょう。
夫婦共働きの方の場合、子どもの誕生などに伴う離職または休職による収入減も考えておきましょう。
退職後は、家計収入が大きく減りますし、将来、賃金体系の変化があるかもしれません。
また、退職金も大きくあてにしないようにしましょう。
支出面でのポイント
子どもの成長に伴い、進学による教育費が増加します。
幼稚園から大学まで全て公立の場合でも、総教育費は約799万円という統計もあります。
入居後も、固定資産税などの税金、団信保険料などが必要になります。
また、定期的に行う住宅の修繕費用も見込んでおく必要があります。
自己資金(現金)をいくら用意できるか確認しましょう
家づくりの具体的な検討に入ったら、定期預金、財形貯蓄など、住宅取得のための自己資金(現金)として使える貯蓄がいくらあるか確認しましょう。
その際、それぞれの貯蓄商品の満期がいつなのかを確認しておきましょう。
家づくり費用の支払いは、一括ではなく数回に分けて支払うことが一般的です。その際には、現金が必要になります。
せっかく家づくりのために貯蓄してきたのに、いざ現金が必要なときに満期が到来していないと、途中解約することになってしまいます。
解約手数料が高い金融商品もありますので、家づくりの意思が固まり、目標時期が近づいてきたら、利回りが低くても引き出しやすい商品に貯蓄をシフトしておくことが必要です。
家づくり費用の支払い
実際の支払いの時期と割合については、依頼先によって異なりますので、担当者にご確認ください。
ここでは一般的な例をあげます。
支払い時期の例
ハウスメーカー・工務店に依頼する場合
支払い時期 | ハウスメーカー | 工務店 |
契約時 | 10%程度 | 30%程度 |
着工時 | 30%程度 | − |
上棟時 | 30%程度 | 30%程度 |
引渡時 | 残金 | 残金 |
設計は設計事務所に、施工は工務店に依頼する場合
支払い時期 | 設計事務所 | 工務店 |
設計監理契約時 | 20%程度 | − |
基本設計完了時 | 30%程度 | − |
実施設計完了時 | 20%程度 | − |
工事請負契約時 | − | 30%程度 |
上棟時 | − | 30%程度 |
引渡時 | 残金 | 残金 |
「自己資金(現金)=頭金ではない」ことに注意しましょう
家づくりのための自己資金(現金)は、頭金、諸費用、耐久消費財購入費を合計した金額以上の額が必要となります。
「自己資金(現金)=頭金」と誤解して、契約してから諸費用が必要であることに気づいたり、入居後に部屋のサイズに合った家具やカーテンを購入する費用が必要であることに気づいたなどの失敗談を聞くことがあります。
また、長期にわたる返済の途中には、病気やケガ、転退職など不測の事態によって収入が減少する可能性もあります。
そのような事態に備えて、少なくとも半年分の生活費がまかなえる程度と当面のライフイベントのための貯蓄を残しておきましょう。
頭金は最低でも建設費の2割。
住宅ローンの融資限度額は、建設費(住宅ローンによっては土地購入費を含む。以下同じ。)の8割までが一般的ですから、頭金は最低でも建設費の2割は必要です。フラット35(建設費の10割まで)など建設費の8割を超える融資が受けられる住宅ローンもありますが、家計に占める住宅ローンの割合が高くなり家計を圧迫する恐れがあります。
頭金は多ければ多いほど住宅ローン借入額が少なくなるので、毎月の返済額や総返済額が少なくなり、家計への負担も軽くなります。
また、将来、住宅を売却することになった時、住宅ローン残高より売却価格が低くなってしまう場合は住宅ローンが残ってしまいます。
このような事態を防ぐためにも十分な頭金を用意して住宅ローンの借入額が少なくなるようにしましょう。
諸費用分は建設費の1割程度。
頭金の他に手数料や税金などの諸費用がかかります。
諸費用の金額は建設費の1割程度を用意しましょう。
土地を取得する場合は、土地の仲介手数料が必要となるため、1割以上かかる場合があります。
耐久消費財購入費も必要です
住宅を新築すると、カーテン、家具、エアコン、照明器具などの耐久消費財を購入するのが一般的です。
これらの購入費も自己資金として準備しておく必要があります。
なお、次表は、旧住宅金融公庫の融資利用者に対して消費実態の調査を行ったもので平均的な金額です。
順位 | 品目 | 比率 | 平均購入金額 |
1 | カーテン | 72.0% | 14.3万円 |
2 | ルームエアコン | 59.9% | 22.9万円 |
3 | 照明器具 | 57.0% | 9.1万円 |
4 | じゅうたん、カーペット | 54.0% | 3.6万円 |
5 | 応接セット | 50.7% | 13.4万円 |
6 | ベッド、ソファーベッド | 45.2% | 12.7万円 |
7 | ダイニングセット | 40.7% | 11.2万円 |
8 | テレビ | 39.3% | 17.0万円 |
9 | 植木、観葉植物 | 35.7% | 5.3万円 |
10 | ふとん | 33.6% | 5.9万円 |
土地購入費・建設費の目安を確認しましょう
住宅ローン借入額や用意できる頭金の金額を確認したら、それぞれの金額を合計しましょう。
この合計金額は、土地購入費・建設費の目安となります。
住宅ローン借入額+頭金=土地購入費・建設費